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お役立ちコラム火災後のスケルトン工事とは?賃貸オーナーが知るべき基礎知識と復旧の第一歩

火災現場のスケルトン工事とは?

「まさか所有している物件で火災が発生するなんて…」

所有する賃貸物件で火災が発生したオーナーにとって、どのように対応すべきか右も左も分からず、不安でいっぱいのこと思います。

火災の程度によっては「スケルトン工事が必要かも」という言葉を耳にするかもしれません。もし耳にしたとしても、そもそもスケルトン工事とはなんなのか?、一体何から始めれば良いのか、費用はどれくらいかかるのか、多くの疑問が頭を駆け巡ることでしょう。

この記事では、火災後にスケルトン工事をしなければならない状況において、初心者の方にも分かりやすく基本から解説いたします。建物の構造による工事の違い、最初にすべきこと、復旧の流れ、そして気になる費用や保険のことまで、具体的な情報をお届けします。

この記事を読むことで、火災後の対応への不安を少しでも解消し、再出発への一歩を踏み出すお役に立てればと思っています。

目次

火災後の「スケルトン工事」とは?初心者でもわかるよう基本を解説

スケルトン工事=「骨組みだけ残す」工事

スケルトン工事とは、火災で傷んだ家の内装や設備をすべて取りのぞき、柱や梁などの“骨組み”だけの状態にする工事のことです。壁・天井・床、キッチンやお風呂などの設備もすべて撤去し、建物の“土台の部分”だけに戻します。

なぜ火災の後にスケルトン工事が必要になるのか?

火災の後は、見た目には大きなダメージがないように見えても、建物の内部まで深く影響を受けていることが多いからです。例えば、

  • 壁や床の中に煤や煙のにおいが染みついている
  • 焼けた建材から有害な成分が発生する恐れがある
  • 消火で使われた大量の水が入り込み、カビや腐食の原因になる
  • 高温の影響で、配管や断熱材が見えないところで劣化している

こうした問題をそのまま放置してしまうと、後から健康被害や建物の不具合が出ることもあるため、必要に応じてスケルトン工事を行い、いったんすべてを取り除いてから、安心して住める状態へと作り直します。

また、スケルトン工事を行えば、建物の骨組みに損傷がないかを確認できるため、今後のリフォームや再建築の計画を立てる上でも、とても大事なステップになります。

スケルトン工事をするかどうかの判断ポイント

焦げや煤が広範囲に広がっている

壁・天井・床などが広く焦げていたり、真っ黒な煤がついている場合は、内部までダメージが及んでいることがあります。表面だけの修復では不十分なため、骨組みまで確認する必要が出てきます。

ニオイが強く、取れない

焦げたニオイや煤のにおいが室内に染みついていると、部分的な清掃では解決できないことがあります。ニオイが建材の奥まで入り込んでいると、撤去が必要になるケースもあります。

消火活動で室内が水浸しになった

消火の水が壁の中や床下に入り込むと、カビや腐食の原因に。放っておくと建物の強度や衛生面に悪影響を与えるため、被害が大きい場合はスケルトン工事をして確認・修復する必要があります。

建物にゆがみやヒビがある

火災の熱で構造自体がダメージを受けている可能性があります。安全に暮らすためには、骨組みの状態まで確認し、必要に応じて補修しなければなりません。

この機会に内装を一新したい

火災をきっかけに間取りを変えたり、リフォームを考えている方は、スケルトン工事をすることで、設計の自由度が広がり、新しい住まい作りにスムーズに移行できます。

ボヤ程度ならスケルトン工事が不要な場合も

一方で、「少し焦げた程度」「煙だけで火は回らなかった」といったボヤ程度の火災であれば、スケルトン工事をしなくても済むケースもあります。被害が軽ければ、部分的な修復や清掃、消臭作業だけで十分な場合もあります。

木造・鉄骨・RC…建物の構造で工事内容はどう変わる?

火災によるダメージは、建物の構造(木造・鉄骨・RCなど)によって現れ方が変わるため、スケルトン工事の進め方や補修のポイントも異なってきます。

以下、それぞれの構造ごとの特徴と注意点をわかりやすくご紹介します。

木造住宅の場合(もっとも燃えやすい)

木造の建物は火に弱く、火が入り込むと柱や梁といった構造部分まで焼けてしまうことが多いものです。内部が焦げて強度が落ちている場合もあるため、広範囲にわたって補修や交換が必要になることがあります。

鉄骨造の場合(構造は残るが熱に弱い)

鉄骨は木に比べて燃えにくく、建物の形自体は残ることが多いですが、熱によって鉄がゆがんだり、強度が落ちたりすることがあります。見た目は大丈夫そうでも、専門の機器での調査や補強が必要になるケースがあります。

RC(鉄筋コンクリート)造の場合(燃えにくいが内装は弱い)

RC造は燃えにくく、構造自体が火で壊れることは少ないのですが、

  • 内装の焦げや煤
  • 配線の焼損
  • コンクリートのひび割れや爆裂(内部の鉄筋が膨張して割れる現象)

など、目に見えにくいダメージが出ることがあります。こうした部分をしっかり点検し、必要があれば補修を行うことで、元の強度や安全性を取り戻します。


いずれにせよ、素人が判断するのは難しいものです。あとから問題が出てこないよう、専門家に診てもらい、適切な工事をすることが大切です。

火災現場で「スケルトン工事が必要かも」と言われたら、まずやるべき5つのこと

1.現場の状況を全体的に把握する(写真撮影+管理会社の報告確認)

火災が発生したら、まずは建物のどの部分がどの程度ダメージを受けたのか、全体像をつかむことが大切です。そのために、現場の写真をしっかりと撮影し、管理会社からの報告書があれば内容を確認しましょう。

この記録は、保険請求や復旧の打ち合わせの際にとても役立ちます。また、入居者や近隣住民からの苦情が出る前に、どんな対応が必要かを考える材料にもなります。

「自分の目で状況を確認して、証拠を残しておく」ことが、復旧までの第一歩になります。

2.火災保険会社に連絡し保険でどこまでカバーできそうか確認する

火災保険に加入している場合は、まず保険会社に速やかに連絡を取り、補償対象や保険金の支払い範囲を確認しましょう。構造体の補修まで適用されるのか、臨時費用や代替住居費用が含まれるのかなど、契約内容を詳しくチェックすることが重要です

補償範囲を把握することで、工事計画を具体的に立てることができ、復旧に向けたスムーズな対応が可能になります。また、保険会社と密に連携し、必要な書類や手続きを早めに進めることで、復旧作業を円滑に進めることができるでしょう。

3.火災現場の復旧業者に問い合わせし現場を見てもらう

火災による被害の実態を正確に把握するために、専門の復旧業者に現地調査を依頼しましょう。経験豊富な業者であれば、損傷の評価や工事の流れについて適切なアドバイスをもらえることが期待できます。それによって保険会社との調整もスムーズに進めることができます。

4.スケルトン工事が必要か?どこまでやるべきか?判断してもらい正式に見積もり依頼

スケルトン工事の必要性の判断は、素人が判断できるものではありません。専門業者に見てもらいアドバイスを受け、また相談しがら決めることが重要です。

建物の構造や、煤やニオイの状況を考慮し、適切な作業範囲と費用を見積もりで確認しましょう。複数の業者から提案を受けることで、より納得のいく判断ができるだけでなく、工事内容や費用、期間などの相場が把握でき、比較検討する材料にもなります。

あいまいな提案ではなく、明確な説明をしてくれる信頼できる業者を選ぶことが重要です。

火災後のスケルトン工事の流れと期間

1.保険会社とのやりとり・施工範囲の確定

火災現場の復旧業者との契約前に、保険会社と工事範囲や費用について最終確認を行うことが重要です。保険の適用範囲や支払い条件を詳しく把握しておきましょう。

この段階で、具体的なスケジュールや必要書類も確認し、現場の復旧に向けスムーズに進めるよう準備することが大切です。また、スケルトン工事の解体・撤去範囲について復旧業者の意見を踏まえながら慎重に確定し、、保険会社の補償内容との齟齬がないよう十分に確認しておきましょう。

2.近隣住民や管理組合への事前説明

スケルトン工事は、騒音や振動、粉塵の発生、建設廃棄物の搬出など、近隣住民に影響を与える可能性があります。工事開始前に、期間や作業内容、時間帯について丁寧に説明し、理解と協力を得ることが重要です。管理組合がある場合は、事前の報告と許可を申請することも忘れずに行いましょう。

3.焼損部の解体・撤去

まず、火災によって損傷した内装材や設備、建具などを、専門技術を用いて安全かつ迅速に解体・撤去します。この工程では、表面的な損傷だけでなく、内部の状態も確認しながら撤去範囲を慎重に調整し、建設廃棄物の適切な分別と処理も重要なポイントとなります。安全を最優先しつつ、効率的に作業を進め、復旧への第一歩を踏み出します。

4.消臭・除菌・有害物質の除去(必要に応じて)

火災現場では、焼け跡の煤やニオイ、また目に見えない有害物質が残っている可能性があります。そのため、解体後には、専門の薬剤を用いた消臭・除菌作業、有害物質の除去が行われます。

また、ニオイが強く残る場合は、オゾン脱臭や特殊洗浄を行う必要があり、深い専門知識とノウハウ、これまでの経験が求められ、各業者のスキル・経験に差が現れます。そのため、業者選びは非常に重要になることを頭に入れておいてください。

これらの工程を経ることで、安全で快適な住環境を取り戻すための基礎が整えられます。

5.構造体の補修・強度チェック

スケルトン状態になった建物では、柱や梁、壁などの構造体に火災による損傷や劣化がないか、専門家による調査が必要です。劣化や歪みが確認された場合は、補修や補強工事を施し、必要に応じて耐震性の向上を図る工事が実施されることもあります。

特に鉄骨造やRC構造では、目に見えない歪みやひび割れが発生している可能性があるため、慎重な診断が求められます。これらの工程を経ることで、建物の安全性を確保し、安心して再利用できる状態へと復旧を進めます。

6.原状回復またはリフォーム工事へ

スケルトン工事が完了し、建物の安全性が確認されたら、いよいよ新たな内装工事の段階へ移行します。元の状態に戻す原状回復工事はもちろん、この機会を利用し間取りの変更や新設備の導入を含むリフォーム工事を実施することも選択肢の一つです。

「保険でどこまで出るの?費用はいくら?」スケルトン工事の費用について

火災保険の対象範囲と注意点

火災保険は、で建物が受けた損害だけでなく、消火のための放水による被害や、近隣の火災が原因で受けた延焼などの被害も補償の対象になることがあります。ただし、保険金の上限が決められていたり、免責金額(自己負担額)が設定されていることがあるため、契約内容を慎重に確認することが重要です。

もし火災によってスケルトン工事が必要になった場合でも、保険でどこまで補償されるのかは契約次第です。構造部分や内装の修復が対象になるかどうか、また「特約(オプションのようなもの)」の有無でも補償内容が変わることがあります。気になる点や不明なことがあれば、遠慮せずに保険会社へ相談してみましょう。

スケルトン工事にかかる費用相場の一例

火災後のスケルトン解体」は、火災によって損傷した建材や家財の撤去、ニオイや煤、有害物質への対応も必要になるため、通常のスケルトン工事より費用が高くなります。

一般的な目安としては、1坪あたり 30,000〜80,000円程度 となります。例えば60㎡のマンションで全ての部屋をスケルトン工事をする場合、50〜150万円程度かかることになります。

ただし、火災による損傷の状況や残置物の有無などによって費用は大きく異なるため、あくまでも費用感として捉えておく程度にとどめておきましょう。正式な費用については、必ず専門業者に見てもらって見積もりを取るようにしてください。

スケルトン工事を業者に依頼する際に確認すべきポイント

火災復旧の実績を確認する

先ほども少しお伝えしましたが、火災が起きたあとの復旧工事には、専門的な知識や技術が必要となります。具体的には、火災現場特有の煤や焦げ、ニオイや、有害物質を取り除いていきますが、これらに対応するには、専門の機材や薬剤を使ってオゾン脱臭や消毒・除菌を行う必要があります

そのため、業者選びは適当にせず、慎重に行なっていただきたいと思います。まずは、火災現場の復旧に対応しているか、またそれらの実績があるか、ホームページを確認しましょう。気になる業者であれば、直接問い合わせして聞いてみるのも良いでしょう。

消臭・除菌・有害物質除去の技術がありそうか確認する

火災後は見た目を直すだけでなく、ニオイや有害な物質を取り除く作業が必要なことは先ほどお伝えしたとおりですが、その技術がありそうかどうかを見極めるポイントとして、孤独死などの特殊な現場の清掃を行っているかどうかも一つです

孤独死などの特殊な現場はいかに部屋に漂う強烈なニオイ(死臭)を取り除くか、といっても過言ではありません。そのため非常に高度な技術が必要になるのですが、そこで得た技術は火災後の現場のニオイ除去にも非常に役立ちます。

そのため、孤独死現場などの特殊清掃の実績があるかどうかを確認することは、消臭・除菌・有害物質除去の技術を持ち合わせていそうかといった判断に役立ちます。

見積もりの内訳が明瞭かどうか

見積もりをもらったら作業内容が明確になっているか、確認するようにしましょう。全ての作業項目を理解する事はできないかもしれないですが、◯◯◯費一式など、ざっくりした見積もりの業者は気をつけましょう。分からないことがあれば遠慮なく質問し、可能な限り疑問を取り除いておくことが重要です。この時、真摯に対応してくれるかどうかもしっかり見ておきましょう。

また、あまりにも他社より安い業者は注意が必要です。契約して実際に作業を行なった後になって、追加費用を請求するといった手口の業者がいますので、金額だけで安易に決めてしまわないようにしましょう。

対応や説明が丁寧か

問い合わせ時や見積もり時の対応、また質問に対して寄り添って丁寧に回答してくれるかどうか、注意深く見ておくようにしましょう。一時的な付き合いだとしても、スムーズに進めるために業者との相性は重視することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。所有する物件で火災が発生するといった経験をすることは、まずほとんどの方が経験しないため、もしその状況が発生したらかなり不安になることと思います。

今回の記事が、不安を抱えているあなたの少しでもお役に立てるなら嬉しいです。

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