
突然の訃報とともに訪れる遺品整理の必要性。特に、故人が飼っていたペットのニオイが強く残る部屋は、どこから手をつけてよいかわからず戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今回は、犬や猫などのペットを飼っていた部屋の遺品整理や清掃について、専門業者への依頼を前提にした片付けの進め方をステップごとに解説します。
一人暮らしで過去にペットを飼っていた故人の部屋の遺品整理と清掃を想定した記事となりますが、ペットのニオイが残っている部屋の片付けであれば参考になると思います。
目次
ペットのニオイが残る部屋…どうやって片付けを始めればいい?
ペットと暮らしていた部屋は、独特な生活臭が染みついていることがあります。特に故人が一人暮らしで清掃が行き届いていない場合はなおさらです。また、飼っていた動物の種類や年数によってもニオイの強さは異なります。
特にペットとの接点がほとんどなく思い入れがない場合、ご遺族にとって、このようなニオイだけでも大きなストレスになることがありますので、ニオイ対策はしっかり行いましょう。
一人暮らしの家族が亡くなった後の部屋に残る「生活の痕跡」
故人が生前に可愛がっていたペットの存在が、遺品整理や清掃の難易度を上げることがあります。なぜなら、ペットのニオイや糞尿の跡、抜け毛などがフローリングや壁紙に染み付き、通常の清掃では簡単に取り除けないことがあるからです。
このような状態の部屋を前にすると、何から手をつけてよいのか分からず、途方に暮れてしまう方も少なくありません。しかし感情的に整理がついていなくても、現実的には作業を進める必要があります。
まずは部屋の現状を把握し、どの程度専門的な対処が必要かを見極めることが第一歩です。
ペット臭が強く残っている場合、費用にも影響が出る
強いペット臭が部屋に残っている場合、通常の遺品整理のサービス内の清掃だけでは対処しきれないことがあります。
特に賃貸物件では、退去時に原状回復の義務があります。そのため、ニオイが壁紙や床に染み付いて簡単には落とすことができない場合、別途消臭や除菌作業が必要となり、費用がさらにかかる可能性がありますので注意が必要です。
STEP1:遺品の状況やペット臭の現状を確認し、「どこから業者に依頼すべきか」の判断をつける
部屋の状況を確認する際は、まず窓を開けて十分に換気を行い、ニオイの程度や汚れの範囲をチェックしましょう。アレルギーや体調に不安がある場合は、短時間の確認にとどめるのも重要です。
ペット臭の強さをチェックするポイント(床/壁/布製品/排泄物跡)
ペット臭への対処は、まずニオイの発生源がどこか、おおよそでもよいのでアタリをつけることから始まります。
部屋全体のニオイを確認し、特にペットが長く過ごしていただろう場所や、何らかの跡がある箇所は念入りにチェックしましょう。フローリングやカーペット、布製のソファ、カーテン、壁紙などはニオイが染み付きやすい箇所と言えるでしょう。
また、ペットの排泄物の跡が残っていないかも確認します。どこがニオイの発生源か見極めることで、ある程度まで自分で清掃できる範囲か、全て専門業者に依頼すべきか、判断する手がかりになります。
ニオイだけでなく、部屋の衛生状況(虫・カビ・汚れ)も確認
ペット臭だけでなく、部屋の衛生状態の確認も重要です。ペットの抜け毛はダニやノミの発生源となります。また餌の食べ残しはカビや虫の原因になることがあります。
こうした衛生問題はニオイだけでなく、健康にも影響を及ぼす可能性があり、特にアレルギー体質の方は注意が必要です。
故人が一人暮らしなどで、清掃が行き届いていなかったような部屋では、汚れや虫の発生が部屋全体広がっていることもあるため、自分での対応が難しいと感じた場合は、無理をせず専門業者への依頼を検討しましょう。
賃貸物件なら「原状回復義務」の観点からも早めの判断が大事
賃貸物件では、退去時に原状回復の義務があります。ペット臭や汚れが残っていると、壁紙や床材の交換が必要になり、追加で修繕費を請求される可能性もあります。
こうしたトラブルを避けるためには、早めに現状を把握し、特殊清掃などを専門とする業者などに相談することが大切です。
STEP2:必要に応じて一部だけ自分で対処しておく
業者に来てもらう前に簡易的な対応をしておくことで、作業をスムーズに進められることもあります。
ただし、ペット臭は表面だけでなく素材の内部まで染み込んでいることが多く、市販の消臭剤だけで完全に取り除くのは困難ですので、最低限の作業にとどめ、あとはプロに任せる方が良いでしょう。
また、清掃面だけでなく、不要な遺品で自分で処分できそうなものは処分する、残して欲しい遺品に印をつけておくなども、業者がスムーズに作業を進める手助けになるでしょう。
こういったことを事前にすることなく、全てを専門業者にお任せすることももちろん可能ですので、無理に自分で対処する必要はありません。
この章では、できる範囲は自分で作業を進める場合についての説明となります。
作業前に用意したいもの
自分で清掃を行う場合は、安全と衛生を確保するための準備が大切です。マスクや手袋などを用意し、もしペットの排泄物を処理する必要がある場合は感染症予防のためにも着用を徹底しましょう。
また、窓を開けたり換気扇や扇風機を使ったりして、作業中はこまめに換気を行うことも重要です。雑巾やブラシ、バケツ、洗剤、消臭剤といった掃除道具も事前にそろえておくと、スムーズに作業を進められます。
ペット臭が強い現場では体調を崩すこともあるため、短時間で区切って作業できるよう段取りを整えておきましょう。
ペットが触れていた布類など、ニオイの元を一時的に取り除く方法
ペットが使用していた毛布やマット、タオル、ベッド、トイレ砂などが残っている場合、強いニオイの原因となります。これらはビニール袋に入れて密閉し、一時的に部屋の外へ出すだけでもニオイの軽減に効果的です。
残すものと処分するものを分別しておくと、その後の整理がスムーズに進みます。また、重曹やアルコールで拭き掃除をするとニオイをある程度抑えることができ、本格的な清掃までの応急処置として有効です。
STEP3:本格的な清掃や消臭と遺品整理を専門業者に依頼する理由を理解する
強いペット臭が残る部屋の清掃や遺品整理は、経験のない個人が行うには限界があります。賃貸物件であれば原状回復が求められるため、専門知識のある業者による任せることが不可欠となるでしょう。遺品整理も同時に依頼すれば、一括で進められ作業の手間と精神的な負担を同時に軽減できるでしょう。
ペット臭は素人では落としきれないことが多い
ペットのニオイは、目に見えない場所にまで染み込んでいることが多く、特に長期間飼育されていた部屋では、壁の内側や床材の下地にまでニオイが広がっていることがあります。家庭用の消臭剤では十分に取りきれないため、通常の清掃では効果が薄いことが多いです。
無理に自分で清掃しようとすると壁紙や床材を傷つける恐れがあることも考えると、専門業者による清掃・脱臭作業を依頼することがよいのではないかと考えます。
オゾン脱臭などの特殊清掃、壁紙や床材の張り替えが必要になるケースも
ペットの種類や飼育期間、部屋の状態によっては、オゾン脱臭などの特殊清掃、また壁紙や床材の張り替えといったことも必要になることがあります。
これらは専門的な知識や技術、道具が必要な作業であり、専門業者に依頼することが一般的です。業者に依頼するとその分の費用が当然かかりますが、自分では落とすことができないニオイを完全に除去してくれますので、その対価と考えれば依頼するメリットは十分にあります。
遺品整理と清掃・消臭を一括で依頼するメリット
遺品整理と清掃を別々の業者に依頼すると、時間や手間がかかりますが、多くの遺品整理業者は特殊清掃も対応しています。そのため、別々に業者を探すのではなく、特殊清掃に対応している遺品整理業者を探すのがよいでしょう(遺品整理も対応している特殊清掃業者でもOK)。
一括対応してくれる遺品整理業者を選べば、契約の手続きや連絡等のやり取りの手間が大幅に減りますし、業者側としても作業が効率的に進みます。
重要なのは、いかに信頼できる業者に依頼できるかです。次の章ではその業者選びのポイントについても触れていきます。
STEP4:遺品整理業者を選定し正式に依頼する
遺品整理業界にも悪質な業者が存在しています。そういった悪質な業者にひっかかることなく、信頼できそうな遺品整理業者を見つけ出し依頼することができるかが何より重要です。
この章では業者選定のポイントを中心に解説していきます。
消臭・除菌の技術がありそうかホームページで確認する
特殊清掃といえば、その多くは孤独死などで亡くなったお部屋を元通りにして再び人が住める状態にする清掃のことです。ご遺体の発見が遅れた孤独死現場は、血液などの体液が広がっているだけでなく、言葉では言い表せない強烈な死臭がただよっています。
体液などを表面的に綺麗にするのはもちろんのこと、特にニオイを取り除くには専門的な知識、ノウハウ、スキルが求められます。特殊清掃も出来ますと言いながら、実際にはまともにニオイを取ることができない業者もあります。
そのようなことから、まずはホームページ上で特殊清掃の実績が多数あるか確認することは、技術があるかどうか見極める一つのヒントとなるでしょう。
丁寧で迅速な対応か
丁寧で誠実に対応してくれるかどうかは信頼性の目安と言えるでしょう。フォームからの問い合わせや、電話での問い合わせ時の対応を注意深く確認するだけでなく、感覚的なものになりますが、実際やり取りをしてみての相性も見ておくと良いでしょう。
レスポンスが明らかに遅いなどは、実際に仕事を依頼した際にも同じようになる可能性がありますので、明らかにおかしいと感じることがあれば、他の業者にすることをおすすめします。
見積もりは現地訪問して取ってもらう
正式な見積もりが欲しい場合は、現地訪問してもらい見積もりを取ってもうようにしてください。
今はLINEやメール等でお客さまから写真や動画を送ってもらい、現地訪問せず見積もりを出すことに対応している遺品整理業者も多いものですが、後々トラブルになるケースがありますので、注意が必要です。
当社も対応していますが、写真や動画を元にしたお見積りは概算のお見積りとし、その後は必ず現地に行き状況を確認した上で正式なお見積もりをお出しする流れを取っています。
なぜなら、当日作業をしてみると遺品を全て回収しきれない、といったトラブルを未然に防ぐためです。現地見積もり時には、遺品の量や状態、お部屋の状況、遺品を積み込むトラックまでの経路などを確認します。このステップを経ることでより正確な見積もりをお出しすることが可能になります。
業者に問い合わせや見積もり依頼をする際は、部屋の広さだけでなく、ペットの種類や可能であれば飼っていた年数、ニオイの程度を問い合わせの際に伝えると、よりスムーズに進むでしょう。
悪質業者の見極め方
下記にお伝えする点を押さえておけば、悪質な業者をさける可能性がグッとあがるでしょう。ぜひ、こちらも参考にしてください。
- 見積りが曖昧または異常に安い(高い)
- 無理に契約を迫ろうとする
- 口コミ評価が極端に低い
同じような内容の部分もありますが、遺品整理業者や特殊清掃業者の失敗しない選び方の記事もありますので、気になる方はぜひこちらもご覧ください。
「失敗しない遺品整理業者の選び方 | 遺品整理15年以上のプロが悪質業者に引っかからないポイントを解説」はこちら
「失敗しない特殊清掃業者の選び方 | 業者選定前に知っておくべきこと」はこちら
まとめ
ペットのニオイが残る部屋の片付けは、一般的な遺品整理以上に対応が難しいと言えるでしょう。見た目では分からないほど、ニオイが深く染み込んでいることも多く、個人での対応では限界があるケースが少なくありません。
この記事でご紹介したステップを参考にしながら、ぜひ納得の遺品整理と部屋の清掃・消臭を進めていただければと思います。
遺品整理ロードでは、遺品整理はもちろん特殊清掃の実績も豊富です。同業他社から消臭の相談を受けるほどの、消臭スキルやノウハウがありますのでペット臭の除去も安心してお任せいただけます。
もし、どの業者に依頼すべきか迷われているようでしたら、お問い合わせフォームや公式LINE、 もしくはお電話(0120-536-610)でお気軽にお問い合わせください。
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お問い合わせ後に無理な売り込みをすることはありませんので、安心してご依頼ください。
また、どんなささいなことでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。